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スペシャリストの眼

「斜め45度」の視点

2014年8月5日

第147回東京都下の2物件が暑さの中で「即日完売」

 猛暑が続いた7月下旬、東京都下で発売された2物件の「即完情報」が相次いで飛び込んで来た。まず、野村不動産の『プラウドタワー立川』である。7月10日に第1期販売に関する記者発表を開催。それからわずか2週間後の7月23日に、第1期即完のニュースリリースを配布する、いかにも野村不動産らしいスピーディーな動きになった。

 第1期販売のデータは以下である。

  販売戸数 230戸(総戸数319戸、販売対象戸数292戸)

  申込登録総数 281 件、最高5倍、平均1.22倍

  販売価格 5248万円?1億6598万円

  平均坪単価 342.5万円

  最多価格帯 7300万円台(22戸)

  専有面積 55?108平方メートル

 申込登録者の属性も示す。

  年齢 平均52歳

   (30歳台21%、40歳台21%、50歳台23%、60歳以上32%)

  家族数 平均2.6人

  職業 会社員23%、役員・オーナー35%、医師17%

  居住地 東京都下82%、東京23区9%

  現居住形態 持ち家70%、借家・社宅など29%

 この物件は、商業施設・公共施設を併設した複合再開発タワーマンション。JR中央線「立川」駅直結という利便性の高い立地、購入者のライフスタイルに合わせた間取りを選択できる新提案の「ライフスタイルセレクト」などが評価され、申込即日完売を記録した。


 次いで、大和ハウス工業、コスモスイニシア、オリックス不動産の『ひばりが丘フィールズ1番街』である。これは、東京都東久留米市「ひばりが丘団地再生事業区域」のA街区に建設されているマンション。7月5日から全144 戸の一斉販売を開始して即日完売。7月25日に即完のニュースリリースを配布した。

 

 ちなみに、首都圏マーケットに今年供給された総戸数100 戸を超えるマンションで、全戸一斉に供給し、即日完売したのはこれが初めてという。

 販売のデータは以下である。

  申込登録総数165件、最高4倍、平均1.13倍

  販売価格 2990万円?5090万円

  最多価格帯 3400万円台および3500万円台(各29戸)

  専有面積 68.57?89.71平方メートル

 申込登録者の属性も示す。

 (1) 新しくなる街に住み続ける団塊世代と、帰ってきた団塊ジュニア世代。

 (2) 自然環境を重視した、都心からの住み替え派。

 (3) 親族近居を希望する親世帯や子世帯。

 「ひばりが丘団地再生事業」は、UR都市機構が民間企業をパートナーとした初めての事業で、A街区、D1街区、D2街区の3街区で進行中(計画総戸数419 戸)。今回分譲されたA街区が第1弾となる。


細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャーナリスト。建築専門誌「日経アーキテクチュア」編集長などを経て、2006年からフリージャーナリストとして活動。  東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。日本建築学会・編集委員会顧問。 ブログ『建築雑誌オールレビュー』を主宰。日経産業新聞『目利きが斬る・住宅欄』に寄稿。  著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『建築家という生き方』(共著、日経BP社)、 『ありえない家』(日本経済新聞社)、『建築産業再生のためのマネジメント講座』(共著、早稲田大学出版部) 、 『耐震偽装』(日本経済新聞社)、『風水の真実』(日本経済新聞出版社)ほかがある。


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