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スペシャリストの眼

「斜め45度」の視点

2013年10月15日

第118回リーマンショック後の「最大規模マンション」が7回連続即日完売

 野村不動産と三菱商事が、「スマートシェア・タウン構想」をコンセプトに、千葉県船橋市北本町一丁目で建設を進める分譲マンション、「プラウド船橋一街区~五街区」の全1497戸が「7回連続即日完売」した。

 専有面積は70.63~100.89平方メートル、販売価格は2546 万円~5720 万円、最多価格帯は3100万円(115 戸) 。2007年1月~2013年8月に首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)で供給された分譲マンションの中で、販売戸数が最多となる。

 全1497戸に対して、申込登録総数は2919件(平均倍率1.95倍)、来場総数は約2万4000組を記録した。

 販売は7回に分けて実施された。

 (1) 2012年7月 一街区・二街区 573戸

  最高倍率6倍、平均倍率1.63倍、申込登録数939件

 (2) 2012年11月 三街区第1期1次 300戸

  最高倍率5倍、平均倍率1.59倍、申込登録数479件

 (3) 2012年12月 三街区第1期2次 70戸

  最高倍率9倍、平均倍率3.19倍、申込登録数223件

 (4) 2013年3月 五街区第1期1次 250戸

  最高倍率6倍、平均倍率1.90倍、申込登録数477件

 (5) 2013年4月 五街区第1期2次 66戸

  最高倍率11倍、平均倍率3.71倍、申込登録数245件

 (6) 2013年7月 四街区第1期1次 215戸

  最高倍率5倍、平均倍率1.91倍、申込登録数412件

 (7) 2013年8月 四街区第1期2次 23戸

  最高倍率15倍、平均倍率6.26倍、申込登録数144件

 このプロセスを振り返ると、慎重な「期分け」が功を奏して、全7回ともに「連続即日完売」を成し遂げた事実が見てとれる。特に、三街区、五街区、四街区の第1期1次で販売戸数を絞り込んだにもかかわらず、即日完売したため、急きょ第1期2次販売を追加した状態が一目瞭然である。

 年齢─平均41.5歳(35歳未満38%、55歳以上18%)

 家族数─平均2.6人

 職業─会社員77%、公務員・教員8%

 居住地─船橋市39%、市川市12%、千葉市7%、東京都内15%

 購入者は以下の点を評価した。

 一。ショッピングモール、24時間スーパー、総合病院、子育て支援施設、大規模公園等を擁した首都圏最大級の駅前大規模複合開発。

 二。千葉県内 NO.1 の乗降客数を誇る「船橋」駅の徒歩圏内。

 三。住民同士のコミュニティ促進の施策。

 四。収納や通風・可変性など、日本家屋の特徴を再現した住戸設計。

 営業面ではアミューズメントパークを目指した販売センター、日本初のモデルルーム自動顧客案内システムを導入するなど新しい取り組みも行った。

 「プラウド船橋一街区~五街区」の販売実績は、リーマンショック後の首都圏のマンションとしてナンバーワンの規模になった。


細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャーナリスト。建築専門誌「日経アーキテクチュア」編集長などを経て、2006年からフリージャーナリストとして活動。  東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。日本建築学会・編集委員会顧問。 ブログ『建築雑誌オールレビュー』を主宰。日経産業新聞『目利きが斬る・住宅欄』に寄稿。  著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『建築家という生き方』(共著、日経BP社)、 『ありえない家』(日本経済新聞社)、『建築産業再生のためのマネジメント講座』(共著、早稲田大学出版部) 、 『耐震偽装』(日本経済新聞社)、『風水の真実』(日本経済新聞出版社)ほかがある。


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