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スペシャリストの眼

「斜め45度」の視点

2021年8月24日

第382回 土砂災害は毎年ジワジワ増えている

 国土交通省には「水管理・国土保全局」という組織があり、防災対策、河川・ダム・海岸島の維持管理、水資源、下水道、砂防などの施策を担っています。

 この「水管理・国土保全局」は、「砂防ニュース」と名付けたプレスリリースを公表しています。その中から、最近のトレンドが分かるニュースを収集してみました。

砂防ニュースのURL<https://www.mlit.go.jp/river/sabo/press/news.html>

【■■】砂防ニュースの①〜⑤

 ①2020年の土砂災害発生件数は平均の約1.2倍(2021年3月25日)

  URL<https://www.mlit.go.jp/report/press/sabo02_hh_000113.html>

 ②7月豪雨は過去最大クラスの広域災害
  2020年の土砂災害発生件数の速報値を公表(2020年12月23日)

  URL<https://www.mlit.go.jp/report/press/sabo02_hh_000112.html>

 ③砂防事業に係る事業評価手法について検討します
 「第4回砂防事業の評価手法に関する研究会」をWEB会議で開催(2020年11月27日)

  URL<https://www.mlit.go.jp/report/press/sabo01_hh_000106.html>

 ④土砂災害専門家(TEC-FORCE高度技術指導班)が
  2020年台風10号で発生した土砂災害現場への対応について支援します(2020年9月8日)

  URL<https://www.mlit.go.jp/report/press/sabo02_hh_000110.html>

 ⑤土砂災害のリスク情報の見える化に向けて前進!
土砂災害警戒区域に関する基礎調査の実施目標を達成(2020年5月29日)

  URL<https://www.mlit.go.jp/report/press/sabo01_hh_000102.html>

【■■】砂防ニュースの⑥〜⑩

 ⑥今後の土砂災害対策のあり方を検討
 土砂災害防止対策小委員会(第2回)を開催(2020年1月24日)

  URL<https://www.mlit.go.jp/report/press/sabo01_hh_000096.html>

 ⑦「気候変動を踏まえた砂防技術検討会」(第1回)を開催
 気候変動への対応に向けて土砂災害の外力の増加量を検討(2019年12月25日)

  URL<https://www.mlit.go.jp/report/press/sabo01_hh_000095.html>

 ⑧基礎調査の完了に向けてラストスパート! 
 土砂災害警戒区域等の基礎調査が約94%完了(2019年4月26日)

  URL<https://www.mlit.go.jp/report/press/sabo01_hh_000080.html>

 ⑨「気候変動を踏まえた砂防技術検討会」を設置
 12月9日に現地調査会を開催(2019年12月5日)

  URL<https://www.mlit.go.jp/report/press/sabo01_hh_000093.html>

【■■】2020年の土砂災害発生件数は平均の約1.2倍

 このうち、「①2020年の土砂災害発生件数は平均の約1.2倍(2021年3月25日)」について、少し詳しく説明しましょう。

  URL<https://www.mlit.go.jp/report/press/sabo02_hh_000113.html>

 この砂防ニュースは、次のような文章で始まっています。

 「2020年の土砂災害の発生件数 (確定値) は、過去平均の約1.2倍になりました」。
 「また、2020年7月豪雨は、過去最大クラスの広域災害となりました」。

 2020年はとても厳しい年だったのですね。

 そして次のような文章とデータが続きます。

 国土交通省では毎年、都道府県等からの報告に基づき、土砂災害の発生件数を集計しています。

 2020年は、46都道府県で1319件の土砂災害が発生し、平均発生件数(1981年)の約1.2倍になりました。内訳は土石流等223件、地すべり177件、がけ崩れ977件です。

 このうち、地すべりの発生件数(117件)は、直近10年(2010年〜2019年)の平均発生件数(109件)を上回りました。

 また、2020年7月豪雨は37府県で961件の土砂災害をもたらし、過去最大クラスの広域災害になりました。最も被害が大きかった熊本県では、集計開始以降最多の発生件数(227件)を記録しました。

 その内訳──土石流等223件、地すべり116件、がけ崩れ977件。
 発生件数上位5県──熊本県227件、鹿児島県121件、神奈川県104件、長野県99件、長崎県73件。

 このうち、地すべり116件は、直近10年(2010年〜2019年)の平均発生件数(109件)を上回っています。

 その中でも特に、2020年7月豪雨は37府県で961件もの土砂災害をもたらし、過去最大クラスの広域災害になりました。そして、最も被害が大きかった熊本県では、集計開始以降最多の227件を記録しました。

 「砂防ニュース2021年3月25日号」
  URL<https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001392268.pdf>

細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャ─ナリスト。建築専門誌『日経ア─キテクチュア』編集長などを経て、2006年からフリ─ランスで活動。

東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。

著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『ありえない家』(日本経済新聞社)、『耐震偽装』(日本経済新聞社)、 『風水の真実』(日本経済新聞出版社)、『東京スカイツリーと東京タワー』(建築資料研究社)、 『巨大地震権威16人の警告』(共著、文春新書)、『謎深き庭 龍安寺石庭』(淡交社)など。


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