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「斜め45度」の視点

2014年10月21日

第155回マンション騰落率ランキングに登場した「昔のブランド」

 2013年版の「売主別中古マンション騰落率ランキング」で、丸紅が4年連続で1位を占めた。

 騰落率ランキングは、不動産マーケティングの「スタイルアクト(旧アトラクターズ・ラボ)」が、2006年から実施している。2013年版ランキングの場合には、2001年以降に分譲されたマンションを対象にして、「新築時の住戸価格」と「2013年に売り出された住戸の現在価格(中古価格)」を突き合わせて、新築時からの騰落率(上昇率と下落率)を算出。これを売主別に集計した。

 2013年版は次のような結果になった。

 1位丸紅──平均専有面積64.9平米

       平均騰落率マイナス1.6%

 2位東急不動産──平均専有面積64.8平米

          平均騰落率マイナス2.1%

 3位伊藤忠都市開発──平均専有面積68.5平米

            平均騰落率マイナス2.3%

 いずれも、新築時価格に比べて、現在価格(中古価格)が下落している。

 なお、メジャーセブンのうち、唯一ベスト10から漏れた大京は、30位に入っている。

 ランキングで1位になった丸紅に関してのみ、騰落率がプラスになった上位36物件の詳細なデータが掲載されている。そのデータを一覧すると、共通する特徴は以下の3点である。

 特徴1──主として2004年、2005年に竣工。

 特徴2──コンパクト物件、60?70平米物件が混在。

 特徴3──立地は都心、準都心が主力。

 さて、マンションブランド別ランキングを使って、「頭の体操」をしたい。

 このうち、ランキング1位にファミール、2位にアルス、8位にジェイパークなど、「昔のブランド」が登場している。

 ファミールは丸紅(現在はグランスイート)、アルスは東急不動産(現在はブランズ)、ジェイパークはジョイントコーポレーション(現在はアデニウム)のブランドである。

細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャーナリスト。建築専門誌「日経アーキテクチュア」編集長などを経て、2006年からフリージャーナリストとして活動。  東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。日本建築学会・編集委員会顧問。 ブログ『建築雑誌オールレビュー』を主宰。日経産業新聞『目利きが斬る・住宅欄』に寄稿。  著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『建築家という生き方』(共著、日経BP社)、 『ありえない家』(日本経済新聞社)、『建築産業再生のためのマネジメント講座』(共著、早稲田大学出版部) 、 『耐震偽装』(日本経済新聞社)、『風水の真実』(日本経済新聞出版社)ほかがある。


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