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2021年10月26日

第386回 大和ハウス工業が販売する「抗ウイルス・抗菌マンション」の内容

 大和ハウス工業は、同社として首都圏では初となる、「抗ウイルス・抗菌マンション」の販売を、2021年9月11日から開始しました。

 埼玉県和光市丸山台2丁目に建設中の「プレミスト和光丸山台」(地上5階建て、総戸数36戸)で、第1期1次物件は20戸の予定です。

 このマンションは、東武東上線・東京メトロ有楽町線・副都心線「和光市駅」から徒歩10分の高台に位置。東京メトロの始発駅に加え、「池袋駅」や「有楽町駅」など都心部へ直結しています。徒歩圏内には、商業施設や飲食店、医療施設、教育施設などがあり、生活利便性の高い分譲マンションです。

【■■】「抗ウイルス・抗菌仕様」とは何か

 「プレミスト和光丸山台」の最大の特徴は、新型コロナウイルス感染症の影響による衛生意識の高まりから、「抗ウイルス・抗菌仕様」になっていることです。

 これは、各戸の床材や建具に、凸版印刷が開発した、「無機の銀系抗ウイルス・抗菌剤を含んだ、特殊コーティングを施したオレフィン化粧シート」を採用したものです。

 凸版印刷によると、その効果は「特定ウイルスが24時間で99.9%以上減少」。また「大腸菌、黄色ブドウ球菌が24時間で99.9%以上減少」するそうです。そして、「抗菌製品技術協議会(SIAA)」から認証を受けています。

 なお、抗菌製品技術協議会(SIAA)は、適正で安心できる抗菌・防カビ加工製品の普及を目的として、「抗菌剤・防カビ剤」および「抗菌・防カビ加工製品」のメーカー、抗菌試験機関などで構成された団体で、大和ハウス工業も加入しています。

 この「抗ウイルス・抗菌仕様」で、新型コロナウィルスが「99.9%以上減少」してくれるのだから、かなり「安心」できますね。

【■■】専有部に「ウォールドア」を採用

 専有部には、popln(ポップイン)社と共同開発した、投影に特化した可動式の間仕切りドア「ウォールドア」を採用しました。この「ウォールドア」は可動式のため、リビングと洋室を広い空間にしたり、テレワーク時の個室としたりすることができます。

【■■】共用部と専用部にテレワークスペースを設置

 共用部のエントランス横には、入居者のテレワークや勉強スペ ースとして、「Wi-Fi」の 利用が可能なラウンジを設けました。また、専有部にもテレワークカウンターを設けるなど、ニューノーマル時代の生活様式に対応しています。

【■■】「埼玉県子育て応援マンション」に認定

 「プレミスト和光丸山台」は、「埼玉県子育て応援マンション」に認定された分譲マンションです。

 子どもへの目線が確保できるよう、対面型のオープンキッチンを採用し、かつリビングや キッチンから子どもの様子が確認しやすい間取りになっています。

 また、敷地内に「全住戸数の3分の2以上(26台/36戸)分の子ども乗せ自転車」が置ける、各1平方メートル以上の平置き駐輪場スペースを設置しました。

 さらに、管理会社による家事代行サービス「ベビー&キッズシッターサービス」や、片付けから掃除、洗濯まで幅広く利用できる「ハウスキーパー派遣サービス」を提供します。

【■■】マンション掲示板の反応

 この「抗ウイルス・抗菌マンション」を、ユーザーはどのように受け止めているのでしょうか。彼らの声を聞くために、マンションコミュニティの掲示板で、「プレミスト和光丸山台ってどうですか?」をチェックしてみました。

 しかし、掲示板に掲載されているのは立地、価格などに関するものがほとんど。残念ながら、「抗ウイルス・抗菌マンション」に関する意見を見つけることはできませんでした。

URLhttps://www.e-mansion.co.jp/bbs/thread/669381/>

細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャ─ナリスト。建築専門誌『日経ア─キテクチュア』編集長などを経て、2006年からフリ─ランスで活動。

東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。

著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『ありえない家』(日本経済新聞社)、『耐震偽装』(日本経済新聞社)、 『風水の真実』(日本経済新聞出版社)、『東京スカイツリーと東京タワー』(建築資料研究社)、 『巨大地震権威16人の警告』(共著、文春新書)、『謎深き庭 龍安寺石庭』(淡交社)など。


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