リアナビ

スペシャリストの眼

「斜め45度」の視点

2023年01月24日

第416回 三菱地所レジデンスの「YouTube活用戦略」

 「三菱地所レジデンス」の「YouTube活用戦略」を調べるために、インターネットの「YouTube」をチェックしてみました。

 まず、YouTube画面の最上部にある「検索欄」に、「三菱地所レジデンス」と書き込んで、その後に「検索ボタン(虫眼鏡のような形の記号)」をクリックします。

すると、画面の左側に、「極めて多数の画像」がズラリと並ぶページが現れました。
 URL< https://www.youtube.com/results?search_query=三菱地所レジデンス>

 画像が何点あるのか確認するために、画像の点数をざっと数えると、「数百点レベル」になりました。ものすごい量ですね。ただし、私のパソコンの1画面に映るのはせいぜい「7点前後」なので、「数え違い」があったかもしれません。

[■■]冒頭の説明文

 まず冒頭の「The Parkhouse」と記された、ロゴマークのすぐ横に、以下に示すような「説明文」が掲載されています。

 【三菱地所レジデンス公式チャンネル
 「@the parkhouse」
 「チャンネル登録者数 4050人」

 ◇物件をお探しの方はこちらから
 ◇三菱地所レジデンスの住まいのギャラリー

 そして、その下部に、次のようなメッセージが掲載されています。
 「三菱地所レジデンス公式チャンネルの最新の動画をお見逃しなく」。

[■■] 上記メッセージに従って、「最新の動画」を見渡す

 A◆「最新の画像」を見渡すと、初めの方(画面上部)には、マンション物件の紹介画像が載されています。

 「ザ・パークハウス 聖蹟桜ヶ丘」
 「ザ・パークハウス 船橋本町(商品編) 」
 「ザ・パークハウス 大森タワー」
 「ザ・パークハウス 武蔵新城フロント」
 「ザ・パークハウス 三郷 」

 B◆マンション5物件の紹介が済むと、その次(画面下部)に、「三菱地所レジデンス」を紹介する内容になっています(2022年12月時点)。

 すなわち、同社への入社を目指す「学生」や、同社とビジネスしようと考えている「事業者」を対象にしたような画像が並んでいます。例えば、こんな具合です。

 「23卒向け&24卒向け・三菱地所レジデンス WEB会社説明会〜40分で企業研究〜」
 「三菱地所レジデンス社員の1日・リノベーション事業部編」
 「三菱地所レジデンス社員の1日・販売編」

 「三菱地所レジデンス| ビズリーチ・キャンパスLIVE
 ~住宅デベロッパーで働くとは?若手社員によるパネルディスカッション」

 C◆上記の会社紹介の後には、柔らかいコンテンツが待っています。

 「イベント盛りだくさん!三菱地所の社員食堂に潜入」
 社食へ潜入、社食メニュー
 久保執行役登場
 Kセットを注文、いざ実食
 社食担当者にインタビュー

 これを読むと、同社に就職した後に利用する、「社員食堂の空気」がそのまま伝わってくるような気がします。

 D◆「就活」三菱地所の内定者が登場!合格したESや自己分析の秘訣を大公開!

 「業界内定研究・就活大解剖、デベロッパー三菱地所レジデンス編」
 「デベロッパー業界No1、三菱地所レジデンスが登場!年収がヤバい!? 」
 「デベロッパー業界最大手・三菱地所レジデンスを退職した理由!」

 E◆大手「マンションブランド」の名称と特徴

 「住友不動産、大京、東急不動産、東京建物、野村不動産、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス」の大手不動産会社7社を、『メジャーセブン』と呼びます。そのうち「三菱地所レジデンス」の基幹ブランドは、「ザ・パークハウス」です。

 F◆「グットデザイン賞」を受賞した三菱地所レジデンスの物件、こんなこだわりが?! 

 「ザ・パークハウス 新浦安マリンヴィラの取り組み」および「GD賞受賞のポイント」を説明しています。

 G◆「1日密着」三菱地所レジデンス入社3年目の技術系社員に密着してみた!
   建替事業部のお仕事〜 老朽化したマンションを新しく建替えるお手伝いをする部署です。

 H◆「1日密着」三菱地所レジデンス社員の1日(販売編)
   販売部は、モデルルームで「新築マンションや戸建て」を、お客様にご案内することが主な仕事です。

 I◆「施工不良物件」
   入居したては買い出しやら、挨拶などで、出入りが多い。そんな時に鍵の開け閉めに違和感を感じた。

 「防犯の要となるドアに不具合があっては」と、ドア各部を触っているうちに、上部のストライク(ラッチ受け)が外れた。新築の分譲マンションに入居初日で最悪の気分に。

 次の日に、入居開始から1か月ほど、「アフターサービスの一環として滞在する」スタッフに報告。すぐに施工業者に連絡して向かわせるようにすると言われたが、「三菱の方を必ず立ち合わせるように」と念押し。

 数時間後、三菱のアフターサービス担当者と施工者の作業員2名が到着。名刺を受け取った後に、施工不良の手直しを開始してもらう。

 ストライクのガタつきに関しては、「耐震のための遊びなので適正」と説明を受けたが信用できず、後日メーカーに問い合わせをして再確認。

 このような仕打ちを受けて、常に粗を探すようになってしまった。その他の内装施工も適当さが目立つ。金額に見合わなさすぎる粗悪な施工に気持ちが下がるばかり。

[■■] 三菱地所レジデンスの「YouTube活用戦略」に対する感想

 三菱地所レジデンスは「YouTube」に、どれくらいの情報を掲載しているのでしょうか。ざっと数えてみると、600〜700点になりました。ものすごい分量です。

 全体像をざっと見渡して私がとても驚いたのは、同社が優良物件だけではなく、いわゆる「施工不良物件」も掲載していたことです。「臭い物に蓋をする」のではなく、「自戒の念を込めて」キチンと公開している姿勢には好感を抱くことができました。

細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャ─ナリスト。建築専門誌『日経ア─キテクチュア』編集長などを経て、2006年からフリ─ランスで活動。

東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。

著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『ありえない家』(日本経済新聞社)、『耐震偽装』(日本経済新聞社)、 『風水の真実』(日本経済新聞出版社)、『東京スカイツリーと東京タワー』(建築資料研究社)、 『巨大地震権威16人の警告』(共著、文春新書)、『謎深き庭 龍安寺石庭』(淡交社)など。


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