リアナビ｜スペシャリストの眼

2019年10月8日

　上編と中編では、不動産ポータルサイトに掲載された、「２０１８年版・新築分譲マンション人気ランキング」をテーマにした（下に２０１８年版の採点表）。

　２０１９年に入って、この採点表を大きく書き換えなければならない事態が発生した（下に２０１９年版の採点表）。

　２枚の採点表を見比べると、以下の事実が分かる。

　「at home」「LIFULL HOME'S」「MAJOR7」──この３つのウェブサイトには、２０１８年版と２０１９年版で大きな変化はない。

　「Yahoo!不動産」──このウェブサイトの２０１９年版に、「新築分譲マンション人気ランキング」が登場した。

　「SUUMO」──このウェブサイトの２０１９年版に、「新築分譲マンション人気ランキング」が登場した。ただし、名前は「新築分譲マンション人気ランキング」ではなく、「新築分譲マンション　アクセスランキング」になっている。すなわち、「看板を掛け替えた」ことになる。

　詳しく見ていこう。

■■■「Yahoo!不動産」の「新築分譲マンション人気ランキング」

　２０１９年版Yahoo!不動産の「新築マンションを探す｣のトップページは、こんなデザインになっている。

　このうち、例えば関東を選択すると、｢人気ランキング（関東）」のコーナーが現れる。そして、東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木・群馬・山梨の各都県ごとに、「人気の新築マンション」が各５物件ずつ掲載されている。

　この人気ランキングを採点した結果が、「１つ星★」という評価である。

■■■「SUUMO新築マンション」の「新築分譲マンションアクセスランキング」

　２０１９年版「SUUMO新築マンション」のトップページは、こんなデザインになっている。

　このうち、例えば関東を選択すると、そこには「アクセスランキング（関東）」というコーナーがある。

　そして関東全域、東京２３区、東京都下、神奈川、埼玉、千葉・茨城という６つの地域ごとに、「アクセス数の多い新築マンション」が各１０物件ずつ掲載されている。このように、情報量としてはかなり充実している。

　よって「SUUMO」のアクセスランキングを、「２つ星★★」と評価した。

■■■「at home」を「２つ星半★★☆」、「SUUMO」を「２つ星★★」とした理由

　不動産ポータルサイトのうち、「at home」「LIFULL HOME'S」「MAJOR7」「Yahoo!不動産」という４つのウェブサイトは、「新築分譲マンション人気ランキング」という名称を使用している。

　その中で、ここ数年間、「at home」の「新築分譲マンション人気ランキング」は、安定的に運営されてきた。それゆえに私は、２０１９年版でも「２つ星半★★☆」と判定した。

　その一方、「SUUMO」の｢新築分譲マンション人気ランキング｣は、長い間、「日陰の身」であった。これに関しては、上編・中編・下編で構成される一連の記事のうち、中編で詳しく説明した。

　さらに２０１９年版で久々に復活したランキングは、どういう訳か「マンション人気ランキング」ではなく、「マンションアクセスランキング」という名前になっていた。

　このように、何か不安定なので、「２つ星★★」と判定した次第である。

細野透（ほその・とおる）

建築＆住宅ジャ─ナリスト。建築専門誌『日経ア─キテクチュア』編集長などを経て、２００６年からフリ─ランスで活動。

東京大学大学院博士課程（建築学専攻）修了、工学博士、一級建築士。

著書に、『建築批評講座』（共著、日経ＢＰ社）、『ありえない家』（日本経済新聞社）、『耐震偽装』（日本経済新聞社）、『風水の真実』（日本経済新聞出版社）、『東京スカイツリーと東京タワー』（建築資料研究社）、『巨大地震権威１６人の警告』（共著、文春新書）、『謎深き庭　龍安寺石庭』（淡交社）など。