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スペシャリストの眼

「斜め45度」の視点

2013年10月29日

第119回「最大級プロジェクト」が相次ぎ登場

 9月9日の早朝に、2020年夏季オリンピック競技大会の東京開催が決まった。それと時期を合わせるかのように、「最大級」という冠がつく分譲マンションが相次いで発表された。

 まず、JR山手線内における、「最高層・最大規模」の複合再開発プロジェクト「Tomihisa Cross」(総戸数1230戸、地上55階建)である。事業主は、野村不動産、三井不動産レジデンシャル、積水ハウス、阪急不動産。

 次に、東京23区内で「最大級の大規模団地建替プロジェクト」となる「桜上水ガーデンズ」(総戸数878戸、地上6階~14階建、9棟)である。事業主は野村不動産と三井不動産レジデンシャル。

 そして、「国内最大級」の超高層マンション、「KACHIDOKI THE TOWER」(総戸数1420戸、地上53階建)である。事業主は鹿島建設、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、住友商事、野村不動産。

 9月中旬に第1期販売が始まった、「Tomihisa Cross」(新宿区富久町) の特徴を列記する。


 一。山手線環内最高層(高さ約180m)、最大規模(約2.5ha)の複合再開発プロジェクト。

 二。8駅13路線を利用可能な立地。

 三。「産・官・学・民」でつくる、住民主導のまちづくり。

 四。約10万件もの声を集めてつくられた共用空間、サービス。

 五。デュアル制振構造の採用。

 六。早大名誉教授の尾島俊雄氏による防災計画。

 専有面積は36.22~120.65平方メートル、販売価格は3198万円(2戸)~1億7057万円(2戸)、最多価格帯は6500万円台(37戸)となる。

 次に、11月中旬に販売される「桜上水ガーデンズ」(世田谷区桜上水四丁目)の特徴を列記する。


 一。東京23区内最大級となる約4.7haもの大規模団地・建替再生プロジェクト(404 戸→878 戸へ) 。

 二。京王線「桜上水」駅から徒歩3分の緑に恵まれた環境。

 三。3~5戸に1基のエレベーター、両面バルコニー、天井高約2.6m。

 四。50 年の歴史で培われたコミュニティの継承。

 専有面積は58.48~111.84平方メートルで、販売価格は未定。

 そして、2014年3月下旬に販売される「KACHIDOKI THE TOWER」(中央区勝どき5丁目)は、3つの棟を組み合わせる「VD コアフレーム工法」を世界で初めて採用した。これは、建物外周の「ダブルチューブ架構」と、「オイルダンパー」を装着した内周架構とを組み合わせた構造。高い安全性、広いスパン、開放的な空間が可能になる。

 専有面積は40.42~120.55平方メートルで、販売価格は未定。


細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャーナリスト。建築専門誌「日経アーキテクチュア」編集長などを経て、2006年からフリージャーナリストとして活動。  東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。日本建築学会・編集委員会顧問。 ブログ『建築雑誌オールレビュー』を主宰。日経産業新聞『目利きが斬る・住宅欄』に寄稿。  著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『建築家という生き方』(共著、日経BP社)、 『ありえない家』(日本経済新聞社)、『建築産業再生のためのマネジメント講座』(共著、早稲田大学出版部) 、 『耐震偽装』(日本経済新聞社)、『風水の真実』(日本経済新聞出版社)ほかがある。


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