リアナビ

スペシャリストの眼

「斜め45度」の視点

2024年05月14日

第423回 日本と台湾が築き上げた『地震時にお互いを助け合う関係』

その1--- 「1995年阪神・淡路大震災」 細野透(建築&住宅ジャーナリスト)

[■■] 日本の地震事情(阪神・淡路大震災)

【A】主な死亡原因は、家屋倒壊による圧迫で、窒息死が過半数を占めました。
【B】それに加えて、焼死、全身火傷、頭部損傷、外傷性ショックなどもありました。
【C】また、死者を年代別に見ると、65歳以上の高齢者が全体の約半数(49.6%)を占めていました。

[■■]細野透の行動

 私(細野透)は当時、建築専門誌『日経アーキテクチュア』の若手記者として、現地に取材に出かけました。東京から新大阪までは東海道新幹線を利用したのですが、その先は電車がストップしていました。「どうすればいいの???」あわてて探すと、「貸し出し自転車屋さん」が営業していました。

 それ故に「自転車」を借りて、大阪➙西宮➙芦屋➙神戸の街並を走り回りました。そして、余りの惨状に驚きました。しかし、それと同時に、『日経アーキテクチュア』にしっかりした記事を執筆して『読者に実像を届けなければならない』と、気持ちを引き締めたことを覚えています。

(画像はNHK「災害列島 命を守る情報サイト」から引用)

[■■] 台湾の心配り

 日本の国民が決して忘れてはならないのは、この時「台湾から神戸市」におよそ「2000万円の義援金」が送られたことです。さらに兵庫県には、「飲料水や寝袋などの物資」が届けられたということです。

 私は神戸市から東京に戻って、『日経アーキテクチュア』の編集部で「このニュース」を知った時、思わず台湾の方向を向いて、深々と頭を下げていました。

細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャ─ナリスト。建築専門誌『日経ア─キテクチュア』編集長などを経て、2006年からフリ─ランスで活動。

東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。

著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『ありえない家』(日本経済新聞社)、『耐震偽装』(日本経済新聞社)、 『風水の真実』(日本経済新聞出版社)、『東京スカイツリーと東京タワー』(建築資料研究社)、 『巨大地震権威16人の警告』(共著、文春新書)、『謎深き庭 龍安寺石庭』(淡交社)など。


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