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2021年10月12日

第385回 コロナ期に行う「オンライン内見」&「重要事項説明」の要注意点ランキング

 不動産情報サイトの「at home」を運営するアットホーム株式会社は、2021年9月14日に、「コロナ禍に行うオンライン内見と重要事項説明」の要注意点ランキングを公表しました。

 これは、全国の「at home」加盟店を対象に、「オンライン内見」&「重要事項説明」の要注意点を調査。その結果をランキング形式にまとめたデータです。

【■■】「オンライン内見」の要注意点

 Q(質問)
 「住まいを探すお客さまがオンラインで内見をする際に、気を付けるべきことを教えてください」。

 A(回答)
 1位「当日までにアプリやシステムなどの準備をしておく」62.0%
 (スムーズに内見を進めるため)
 2位「パソコンやスマートフォンを充電しておく」51.3%
 (スムーズに内見を進めるため)

 3位「安定した通信環境を整える」40.5%
 (映像や音声が不安定になることを防ぐため)
 4位「共用部分も見せてもらう」37.3%
 (物件の室内以外も把握するため)

 5位「周辺環境を見せてもらう」37.3%
 (窓からの眺めや近隣の建物を把握するため)
 6位「物件に着いたところから見せてもらう」36.1%
 (見た目やセキュリティーなどを確認するため)

 7位「事前に見たいポイントを相談しておく」30.4%
 (スムーズに内見を進めるため)
 8位「目の前の道路の交通量を見せてもらう」24.7%
 (物件周辺の騒音を把握するため)

 9位「Wi-Fiなどを利用する」23.4%
 (通信費を節約するため)
 10位「靴箱・クローゼットなどの収納の中身も見せてもらう」20.3%
 (高さや奥行を把握するため)

 11位「コンセントの位置を確認させてもらう」20.3%  (家具の配置などを把握するため)
 12位「窓を開けて音を聞かせてもらう」19.6%
 (物件周辺の騒音を把握するため)

 13位「悪臭がないか聞く」14.6%
 (物件の臭いは分からないため)

 以上のように、不動産のプロである不動産会社のスタッフに、オンラインで内見をする際に、気を付けるべき点を聞いたところ、「当日までにアプリやシステムなどの準備をしておく」が62.0%で1位でした。また、「パソコンやスマートフォンを充電しておく」が51.3%で2位、「安定した通信環境を整える」が40.5%で3位でした。このように、スムーズに内見を進めるための事前準備が上位を占めました。

 次に、オンライン内見中のポイントとしては、「共有部分も見せてもらう」「周辺環境を見せてもらう」がそれぞれ37.3%で4位と5位にランクインしました。

 他に、不動産会社のコメントとして、「大通りから物件までや駅から物件まで、歩きながら案内すると感謝されました」といった声がありました。現地に足を運べないオンライン内見では、部屋の外の雰囲気についても確認してもらうと良いようです。

【■■】「重要事項説明編」の要注意点

 Q(質問)--住まいを探すお客さまがオンラインで内見をする際に、気を付けるべきことを教えてください。

 A(回答)

 1位 「当日までにアプリやシステムなどの準備をしておく」71.1%
 (スムーズに進めるため)
 2位「契約書、重要事項説明書などの書類を手元に用意しておく」70.4%
 (スムーズに進めるため)
 3位「事前に契約書、重要事項説明書などの書類を読んでおく」59.2%
 (スムーズに進めるため)
 4位「安定した通信環境を整える」52.0%
 (映像や音声が不安定になることを防ぐため)
 5位「なるべく前後の予定を開けておく」44.1%
 (スムーズに進めるため)
 6位「パソコンやスマートフォンを充電しておく」41.4%
 (スムーズに進めるため)
 7位「Wi-Fiなどを利用する」36.2%
 (通信費を節約するため)
 8位「周囲に人がいない静かな環境をつくる」28.3%
 (スムーズに進めるため)

【■■】「オンライン内見・重要事項説明」ならではのエピソード

 ◆検討しているお部屋をいくつかオンライン内見してもらいました。そして、その中で一番気に入ったお部屋を実際に内見されたお客さまに、「効率的に決めることができた」と言っていただきました。

 ◆保護者の方がご一緒に東京に来られない、遠方にお住まいの未成年の方でしたが、重説が聞けて質問もできたので喜んでおられました。

 ◆「大通りから物件まで、あるいは駅から物件まで、歩きながら案内すると感謝されました」といった声がありました。現地に足を運べないオンライン内見では、部屋の外の雰囲気についても確認してもらうと良いようです。

 ◆オンライン内見では、複数の物件をオンラインで見て、気になった物件のみを現地で見るという効率的な案内ができたという声がありました。

 ◆重要事項説明では、遠方の方も同席できるというメリットがあり、学生のお客さまで、遠方にいる親御さんがオンラインで一緒に説明を受けたというケースもあったようです。中には海外から手続きされるケースもありました。

 ◆県外移動や対面のやり取りを自粛されている方からは、コロナ感染対策になって良かったという声があったようです。

 ◆検討しているお部屋をいくつかオンライン内見し、その中で一番気に入ったお部屋を今度は実際に内見されたお客さまに、「効率的に決めることができた」と言っていただけました。

 ◆県外でお店に来られない方に、「IT重説で手間が省けました」と言っていただけました。

 ◆遠方にお住まいの未成年の方でしたが、保護者の方がご一緒に東京に来られないようでしたので、重説が聞けて質問もできたので喜んでおられました。

 ◆お客さまが海外にいたので双方不安だったが、帰国した時に、思った以上の良い物件で良かったと感謝されました。

【■■】アットホーム社の最近のニュースリリース

 アットホーム社は最近、積極的にニュースリリースを公表しています。2021年8月以降のリリースを紹介しておきましょう。

 ◆8月31日
 入居者と不動産管理会社のコミュニケーションを支援する新サービス、「入居者向けアプリ(お住まいチャンネル)」を提供開始。

 ◆9月1日
 不動産業界初の、AI(ニューラルネットワーク)を活用した、「集合住宅名寄せプログラム」特許取得および提供開始のお知らせ。

 ◆9月15日
 国内最大級の不動産情報プラットフォーム「ATBB(アットビービー)」に、 賃貸仲介向け新機能「見積作成支援機能」が登場。

細野 透(ほその・とおる)

建築&住宅ジャ─ナリスト。建築専門誌『日経ア─キテクチュア』編集長などを経て、2006年からフリ─ランスで活動。

東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。

著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『ありえない家』(日本経済新聞社)、『耐震偽装』(日本経済新聞社)、 『風水の真実』(日本経済新聞出版社)、『東京スカイツリーと東京タワー』(建築資料研究社)、 『巨大地震権威16人の警告』(共著、文春新書)、『謎深き庭 龍安寺石庭』(淡交社)など。


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